セーレ

大概どのパロ時空にも存在させられている「我らが神」について



《Wyrd本編》

EP6でシーセの夢枕に立つ形で初登場。
言うなれば御神託。
ただし「わ~、うちの子の寝顔可愛い~(*´∀`*)」という緩みきった顔だったので威厳も何もあったものではない。

ニノ国の奥地、最果てとされる地から入り込むことができる次元の狭間に存在している。
「此処は何かを引き換えに何かを得る場所」と語り、シーセの命の半分を使ってスウの実体をこの世に戻す。
本人は「この場所が持つ力で僕の能力じゃない」と首を横に振るが、セーレの手引き無しでも場所の力を使用できるのかは未確認。

シーセの中にいる子にも会いたいとせがんでエスが初めて人前に姿を表すよう促したり、オリジナル・シーセの心に寄り添い、険悪だった他のキャラクターとの関係を修復させた。
以降オリジナル・シーセはセーレの元で生まれ変わるための準備に入っている。

シーセが契約している「闇」のことを「彼」と呼び、哀れみのような感情を見せる。
「彼」は自分を捕まえようとしているが、「彼」の為を思えばこそ捕まってやることはできない、だが「彼」が自分に触れることを許してやれないのが心苦しく、寂しくもある…といった類いのことをぽつりぽつりと話す。

スウに似ているらしい「彼女」という存在についても繰り返し言及し、恋してやまないのだろうと一目で分かる幸せそうな顔をする。
「彼女」とも今は離れてしまっているが、どんなときでも一番近くにいる、とのろけのように口にする。

「彼」と「彼女」以外の存在がセーレの口から語られることはなく、また「彼」「彼女」が固有名詞で語られることもない。
自分からは過去の記憶が殆どないことには触れたがらないが、漠然と皆、セーレは名前を呼ばないのではなく、もう呼べないのではないかと推測している。

EP6になってから漸く姿を現したのは、シーセがニノ国に滞在していた、「彼女」によく似たスウに関係したことでセーレの助力を必要とする状況だった、シーセがセーレの写し身の証である翼をスウから返された、などの条件が重なった結果。
一度直接対面したためか、以降夢枕に立つだけなら然程難しくはないらしい。
が、基本的に干渉はしない。

シーセら青目や精霊は、セーレがどのような存在かをある程度本能的に察知できるらしい。
シーセを中心に「我らが神」と呼称しているが、セーレからの距離感が近いためいざ目の前にすると敬語ではなくため口で返すことが多い。

改まって語るなら「人の精霊」。
精霊王はセーレに関する歴史上、伝承上の記述を探した場合に使われている可能性がある呼び名。
言うなれば後年のファン愛称。

精霊の定義からすれば、人間という言葉で定義される存在の本質、真理であり、人間という存在そのものを司るものということになる。
セーレ自身は精霊代表の「彼女」に対する人間代表の自分、程度に捉えている様子。

自身の一部を切り取って魂として生成、写し身、或いは使者と呼ばれる存在を作り出し、天寿を全うした魂を回収してその記憶を養分として存在を続けている。
使者は直系の子孫である青目に生まれる。
人の精霊であるからか全人類を我が子のように溺愛しているが、子孫の可愛いさはまた格別らしい。
「子供より孫、孫よりひ孫の方が溺愛しちゃうって言うじゃない?そのうーんと先だからねぇ、えへへぇ(*´∀`*)」が本人談。

EP9にてセイが自身がセーレの写し身であることを自覚した際、セーレが失った過去の記憶を獲得した。
この記憶にはセーレが生前、第四王子であった頃のものも含まれている。
これはセーレの元で生成された魂が本来セーレの元にあるべき期間を超え、長くセーレに触れ続けたことによって起こった変異のようなもの。
なお、セイがセーレに回収されてもセーレがこの記憶を思い出すことはない。



《Wyrd生前》

本編から四千年前、現在の一ノ国にあたる王国の第四王子として生まれる。
第一王子カインとは同母、第二王子アスランと第三王子セトはそれぞれ異母兄弟。
一日違いで生まれた上二人が成人した頃に生まれた年の差兄弟、セトはその中間。

母親がセーレを妊娠中、忌まわしい「何か」を流産。
黒い泥のような粘液質のような、人の形をしているようなしていないような、生物と呼ぶことも憚られるような、そんな異形だったらしい。
カインはその場に立ち会っており、直接「何か」を見ている。
「何か」の存在は秘匿され、数少ない真相を知るものも後にカインによって処分される。
「何か」は地底湖へと投げ棄てられ、後に最果ての地へと流れ着き「彼」となり、魔物のような存在を生み出し世界を蝕むようになる。

「何か」を産み落としたことにより発狂した母親は、まだお腹の中に残っている子供も化物だと思い込み、自傷行為などを行うようになったため拘束され幽閉される。
カインが献身的に支え宥めようとしたものの、かつて自分が生んだかカインのことも本性は化物なのだろうと拒絶。
内心では母親と同じ恐怖を抱きつつも辛うじて踏みとどまり、気丈に振る舞っていたカインも最愛の母からの拒絶により狂気におちる。
母親を殺害し腹を切り裂いてセーレを取りだし、実権を譲渡させる書面を書かせたのち父親をも殺害。
自分以外の誰にもセーレに触れさせないよう、障害となりうる全てを力で排除して王となり、歪んだ愛情と執着を向けるようになる。

カインにとって、セーレが人間であることを証明するのが自らも人間であると証明する唯一の方法であり、救いだったのと同時に、セーレが化物かもしれない恐怖からも逃れられず、セーレが外の世界と接触して何かの弾みに化物として目覚めてしまうことを強く恐れていた。
元々愛情深い人間であり、母にすら拒絶されたセーレをあらゆる害から守ってやりたかったのも本心。

セーレはカインに幽閉され、カインよりも乳母に懐いている素振りを見せるなどすれば即座に乳母を交代させられるなどしたため、生まれつきの気質としては人見知りはしない性分だったのだが、社交性を摘み取られて育つ。
唯一絶対の存在であるカインの怒りは何よりの恐怖であり、誰かと友達になりたいと思っても険しく歪む兄の顔を思い浮かべては交流を恐れていた。
しかし育ての親である兄から弟への愛情は歪んではいたが確かなものでもあり、セーレも心から兄を愛し慕っている。
殆ど24時間、公務をこなしながらも付きっきりで赤子の世話をしていたカインの姿を知る兄弟曰く、「愛がなければできない」。
カインが他の兄弟との交流であれば許可したため、専らカインの不在時は第三王子セトがセーレの面倒を見ていた。

メイドがセーレの部屋に足を踏み入れることもカインが嫌がったため、結果的に王子でありながら部屋の掃除やベッドメイクが得意に。
カインの部屋で帰りを待つときも兄様の部屋をぴかぴかにしておくのに心躍ったらしい。

少しでもカインに意見することは徹底して禁止され、自主性を奪われて育ったに等しいが、読書や演奏など部屋から出ない活動ならば許されたため創造力は豊か。
当時優勢だった一神教ではなく、人の心を中心に置く思想に救われ、少数派だった精霊信仰を好む。
兄弟以外と隔絶されたため直接人の害意に触れた経験に薄く、他者を信用するなと強く言い聞かせられているうえ、兄を疑うことを知らないので言いつけ通りに警戒してもいるのだが、それでも蓋を開ければ性善説に寄った思考。
第四王子と口を利くと皇帝によって処刑される、という認識が広まっているため腫れ物扱いされているのだが、避けられているだけで嫌われているとはあまり思っていない。

思春期ごろ、魔物との戦争のため繰り返し戦場に出ていく兄達の力になりたい、共に戦いたいと主張したことでカインの逆鱗に触れる。
セーレは激しい拒絶に怯え震えながら許しを請い、カインはならば絶対の忠誠を示せ、何をされても決して逆らうなと命じ、以降セーレは実の兄弟でありながらカインの夜伽の相手をすることになる。
だがセーレの隣が一番よく眠れると安心した顔で呟くカインを見て、セーレはカインと、カインが治める国とを守りたいという意思を強くする。
決して部屋から出ないから前線に行く貴方の相手をさせて欲しい、側にいさせてほしいと訴え、カインもついに戦場への同行を許可する。

「彼」の末端である魔物と接触したことにより、「彼」の存在を認識。
自らの対を成す存在であり、自己を認識する理性すら持たず、悲しみや痛みをそうと理解できないまま得ようもない救いを求めて藻掻き苦しんでいる、と語るセーレの言葉をカインが強く否定し、口論の中で自分達の出生とカインが歪んでしまった理由を知る。

全てを知られたことで打ちのめされるカインの目をかいくぐって「彼」の元に向かったセーレは、道中でのちに「彼女」と呼ぶことになるスーリフィアと出会う。
セーレの信仰心と適性によって、教義においての理論上、空想上の存在とされていた精霊が初めて現世に実体を伴って出現した現象がスーリフィアであり、自暴自棄になり「彼」の胸に飛び込んで死ぬつもりだったセーレを説得。
白い翼を持ち空を飛ぶことができたスーリフィアに連れられカインの元に戻ったセーレは、スーリフィアに対して抱いた恋心と、ともに飛んだ空から見た世界の美しさに希望を見出し、「彼」に世界を壊させない方法を模索し始める。

この間にスーリフィアと結婚、双子の男女を設け、彼らが初代セルウォスと初代ウェッセとなる。

自分だけが「彼」の対を成すことができるが、自分が消えても「彼」は存在し続ける。
「彼」に終わりはなく、「彼」が救われることはない。
「彼」は光を求め、見えない目で手当たり次第に藻掻くことで無差別に世界を傷付けてしまっている。
ならば、自分こそが「彼」が追い求める光となり、永遠に「彼」に自分だけを追わせる追いかけっこを続ければ、「彼」は世界を壊す魔物とならずに済む。

そう答えを見出したセーレはスーリフィアの手引きの元、人ならざるものの象徴である翼を受け取り、人の理を外れて自らを神の次元へと昇華させ永遠の存在となり、カインと「彼」という、自分に取って大切な兄弟たちの戦争を終わらせた。

  • 最終更新:2017-10-07 00:24:38

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード